2018年ドラフトについて

※注意

このエントリーの最大の目的は「ドラフト直後にハムの指名はどう思っていたか」を残しておくためのものである。

 

【はじめに】

2018年ドラフトは90点程度と言える指名だったと思っている。現状の一軍,二軍の状況と3,5年後の構成も含めての考察になる。

 

【2018年一軍成績で見るべき点とは】

2018年は3位だったハム。前半戦の首位争いとは対照的に、後半戦の失速が響き2位の座も奪われた。結果的にこれが功を奏した面もあるのだが、とはいえ後半はとにかく得点ができなかった。具体的にいうと5位に終わった昨年より得点できなかった時期がある。

原因、というのも言い過ぎではあるかもしれないが主力である大田の骨折による離脱だけでなく近藤,中田,レアードが打てず助っ人のアルシアや出場機会を増やしていた清宮横尾といった選手もまた、全く打てなかったのであるから当然といえば当然か。

投手陣は先発投手が後半に崩れた。通算QS17回を記録したマルティネスも後半は3勝6敗と負けが続いたり、例のエラーに始まる上沢の勝ち運の無さが結果的に敗北を増やした。正直なところこの2人を勝たせられなかった野手陣に課題や問題があるんじゃないかと思ってはいるが、先発投手といえば月間MVPを獲得しながら不安定な投球もあり結果的にCSも怪我で出場しなかったエース候補有原や2016年新人王高梨も後半ボコボコに打たれ被本塁打は21を数えた。OP戦頃までは解説員方に絶賛されていた加藤は5回前後で脈絡もなく崩れ、結果としては今年退任することとなった吉井投手コーチが強化指定選手として昨年鍛えたはずな3人が揃って打ち込まれたのが先発陣である。

光明があったといえばロドリゲスが見事3勝を挙げたり怪我はあったものの上原の好投があるなど、総崩れというレベルにまでは達さなかったことくらいか。

中継ぎ投手といえば石川直也が離脱もありながらクローザーとして19Sを挙げるなど大きな飛躍を見せ、使い所が微妙に定まっていなかった浦野,2年契約を新たに結ぶことになった宮西が勝ちパターンを支えた。勝ちパターンの投手"を"支えたのは僅差やビハインドでも登板した公文,今年途中からは井口の台頭があったからだろうし、ルーキーとして30試合以上に登板した西村は来期先発ローテ入りも期待されている陣容。

 

野手陣はチャレンジゾーンの二塁や捕手に新戦力が芽生えた。2017年に一旦解体したチームにあって、喜べる要素である。

 

話は二軍に移る。

二軍では先発ローテを斎藤,吉田,ロドリゲスが回し、50試合以上を投げた立田やそれに肉薄する高山など新顔が出てきた。というより、投げざるを得なかったのだ。

理由としてはTJ手術をしたマグヌス効果で有名な投手や第2の野球人生を球団広報として過ごしそうな社会人出身投手がまっっったく戦力にならなかったり、大卒ルーキーでローテを回すはずだった鈴木が肘の怪我で全く投げなかったという誤算が重なったからだろう。

野手といえば、ついにプロスペクトが枯渇したという印象を受ける。今年成長株として期待された清宮はさっさと二軍を卒業し、淺間も一軍外野手としては4番手の立ち位置を得た。一方、その他の選手では平沼太田のショート候補が一軍に行き来していたが二人ともハム基準では二軍卒業の年齢だし、ハム基準で若い選手は二塁を守った難波以外だと姫野と郡くらいなものだろう。高濱も年齢的に二軍卒業が近づいてきているし、岸里は今年支配下契約が貰えたことに驚いたくらいだ。

 

つまり、一軍も二軍も野手が足りなかったのが2018年シーズン終了時点であった。

 

 

 

【新たに必要だった選手】

一軍で1年目から活躍する先発投手は数限られていて、そういった投手よりも優先すべき選手が大勢いた。特に高卒1〜2年目選手が一切いない遊撃手のポジションは大きな課題だった。

他では、大きな打球を期待できる選手そのものが数少なく2年目の今井(一塁,三塁)くらいなものだった。その今井も特段HRが多かったわけでもなく、全体的にスケール感に欠けていたので長距離砲候補は欲しかっただろう。

高卒のプロスペクトとしては捕手,三遊間,外野手、昨年2名指名した高卒投手が欲しかった。頭数はいくらあってもいい中継ぎ投手もドラフトで指名をしたかったのだ。

 

【結果との比較】

根尾選手を外したことなどから遊撃手の獲得に失敗。これは不安要素ではあるが次世代を獲得し育てるまでにまだ時間はあること,全体的に高卒ショートの選手が高騰し、予想指名順位と比べ繰り上がっていたせいで指名できなかったのだろう。

1位の吉田輝は将来のローテ候補で、2〜3年後のローテ入りが望まれる素材。5位の柿木と合わせた2名は2017年に3,5位で指名した2名の高卒投手が順調であるからこそ思い切って指名できたのだろう。

2位の野村佑は今成スカウトが熱望していた選手で、将来のクリーンナップを打てる三塁手としてどうしても欲しかったという。シーズン順位が3位に終わったが、ホークスよりも早く2位を指名できたことにより獲得できた選手と言えるだろう。

3位の生田目は質の高い中継ぎとしての獲得だろう。先発時は出力を下げゲームメイク能力を発揮する…らしいが正直そこまで圧倒的な投球をしていたわけでもないので先発よりは高い投球の質を保てるリリーフで谷元ポジションないし7〜8回を任せられる投手としての獲得だろう。

4位の万波は素材としかいえない素材。スイングスピードが速く身体能力に優れるが、4年は二軍で育成することになると考えている。

6位の田宮は守備型捕手と言われている。大嶋が抜け,實松がコーチとしての仕事に重きを置くのであれば当然その分の試合数を補う選手が必要になり、それが彼ということか。将来的には守備以外でも近藤のような打撃を目指せるタイプだと思っている。

7位の福田は中継ぎとして来年20試合,再来年からは35試合〜を投げられれば十分と言える。左の中継ぎは質も数も必要なので、大卒即戦力〜最低でも2年目から活躍してほしい選手だろう。

 

【一軍と二軍はどう埋まるか】

一軍は生田目がハマれば、当然勝ちパターンに近いポジションで投げることができるだろう。浦野がかつて大きな怪我に悩まされたことからリリーフの一角として出てきてほしい。福田も中継ぎ投手として公文の負担を減らせればいいだろう。

二軍を見ると野村が三塁,万波が外野,田宮が捕手,海老原は外野のポジションで出場することになる。一塁の今井,二塁の難波と合わせ、フレッシュな選手が1年目から二軍でどのような成績を残せるか。また彼らの加入に発奮する選手たちがどう成長するかは見所である。

つまり二軍野手は遊撃,外野1枠が若さに欠け気味だということだ。

 

【来年のドラフトとの兼ね合い】

来年は多分1位指名は高卒投手で、おそらくは大船渡高校の佐々木投手の入札がほぼ確定している。だって監督が名前挙げてんだもん。

2位以降は野村佑の後輩をはじめとする遊撃手,中継ぎなどの大社投手を指名することとなる。プロスペクトの枯渇を2017(清宮や高卒投手)と2018年で大きく改善させたといっていい。ならば2019年は欲しい選手に質を求めたり、足りない遊撃手に手が伸びる可能性が高いのだ。

 

【将来に向けて】

3年後に考えるべきは西川の後釜。これは淺間が期待されている。一塁中田は衰えているかはわからないが清宮がいるし三塁には大田近藤といった2018年オフにコンバートの可能性がある選手入るかもしれない。ショートは太田平沼が入ってくれるかもしれないのであまり気にならないが、慢性的な打力不足の改善のためショート渡邉,二塁に助っ人などといったコンバート案も考えられる。つまり今ドラフトは3年後に与える影響は、生田目福田以外にはないだろう。

 

5年後も野手はほぼ状況は変わらないはずだが、野村佑などは一軍戦力になっているだろうし投手もローテに入っていて欲しい頃合いだろう。その辺は現有戦力の成績変化が伴うところだがローテ2枚,主軸1枚,勝ちパターン1枚を擁するドラフトには最低限なってほしい。

 

 

【最後に】

ただのメモであるこのブログであるが、また見返す楽しみもできた。今回のドラフトは間違いなくいいものだったし補強ポイントをほぼ間違えなかった事から来年もいいドラフトを期待できる。