2018年のプロ野球終了。戦力総括記事

当ブログの更新よりツイッターの方が楽しいことが判明。ほぼ5ヶ月ぶりの更新である。

今回の記事は「ハムは3位に終わったけど其の実どういう流れのシーズンだったのかをなんとなくそれっぽく書いてみよう」という試みです。

 

【はじめに】

ファイターズの2018年シーズン成績は3位。勝敗はまだ確定していないが、貯金を作ってのフィニッシュになるだろう。2017年は貯金どころか借金20オーバーという最下位寸前の5位だったので好転したのは明らかである。

好転の要因としては10勝以上をマークした上沢,マルティネス両投手が平均6回以上をコンスタントに投げ、また二人はQS,HQSの回数も多かった。マルティネスについては援護率が良くなく勝ち星が伸びなかったが投球そのものに大きな欠陥は少なかった。また、昨年の四番・中田翔は.216 16 67 .676 という何度も見たこの数字とはうってかわって.270程度に25HR,OPSも.800に近い数字にまで戻している。この数字に加え安定感のある一塁守備によりチームを支えた。西川や近藤も.800を超えるOPSを残しており、彼ら野手主力の出来も大きかった。

中継ぎ陣はマーティン,増井,谷元という2016年の優勝を支えたメンバーが去りながらもクローザー石川直,浦野,井口といった中継ぎにとっては新顔の投手が次々と好成績を残した。公文,宮西の両左腕の好投もあってこの記事を作成している現在、リリーフ投手の防御率はリーグ1位となっている。

 

では逆に優勝には何が足りなかったのか。それはローテ投手の実力と打力、特に決定力に尽きるだろう。

確かに外野陣たる近藤西川大田,中田といった主に1〜4番に起用された選手の活躍はあったが5〜9番がまるで打てなかった事実を忘れてはならない。

育成も兼ねて起用されていた淺間,清宮といった若手を超える外野,DH枠の選手もおらず三塁のレアードも相変わらずの低い打率,得点圏打率,OPSを叩き出した。二塁争いは最終的に.240程度を記録するだろう渡邉を起用することで一旦の決着を見たものの油断はできず、捕手の打力も2割ちょいの清水鶴岡がほとんどの出場機会を占め、ショート中島のOPSは.600台前半と物足りない。出塁率が.318(10/1時点)だが、.380〜.400程度まで上げられれば話は違うのだが…

 

【2019年に向けてできる戦力整理】

助っ人選手については先発ローテ投手として活躍したマルティネスを手厚い契約で再契約してもらいたい。ほかの助っ人の中ではロドリゲスは今年のように助っ人5番手としてファームのローテを回りながらたまに一軍の先発機会で結果を出せる保険として用意できれば上々である。その他は仮定の話として全員リリースとする。

先発投手陣にもう一人核となる助っ人を加えたい。FAに参戦しないファイターズにおいて、またローテエース級が市場に出ていない年とあっては助っ人頼みになる他なかろう。具体的にはマルティネスクラスの実績がある、球威や奪三振能力にもう少し長けた投手であると尚良い。新助っ人先発を合わせると

上沢,マルティネス,助っ人,上原,有原,村田と一応ローテで回れそうな投手が6枠埋まる。今シーズンのキャンプまではこの仮定ローテすら埋まらなかったのだからこの時点で先発枠においては大きな成長があったとみて良いだろう。

 

野手助っ人に関しては高額のレアード,アルシアの代わりに獲得する助っ人×2がDeソトクラスの活躍を見せれば打線は飛躍的に強くなる。まあそんなことあまりないんだけどね!

ちなみに、パリーグで活躍した左打者助っ人はかなり少ない。ある程度、のレベルまで遡っても5年くらい遡るので左打者にこだわる必要はないだらう。正直打てれば右だろうが左だろうが関係ないし。契約でどうせスタメンで積極的に起用しないといけないのだろうから、そういった左右を気にしている暇などないはずだが…

ポジションとしてはレアードの後の三,打力を生かすためのDH,成功すれば打力を一気に改善できる遊が挙げられる。

遊は選手会長が守っているポジションだが、その選手会長の守備力が怪しくなってきている。UZR自体はまだ崩れたわけではないが失策13はパリーグ野手2位。1位は西武山川の14であり難しいポジションとはいえ守備型の選手としては厳しい数字。二塁コンバート込みで起用に柔軟性を持たせてもいいのではないだろうか、という提案である。

DH,一塁に清宮を来年以降も起用するプランがあるのならなおのこと助っ人野手が打ってもらわないと打線の威力低下につながるので複数のプランからどのような起用になるのかは楽しみでもある。(大谷の1年目はOPS.600台だったものの、2年目には.843と大きく数字を伸ばしている。DH枠で試合に出続けるか、近藤と入れ替わりで出場するならせめてこの程度の数字を残さないと厳しい)

 

投手についてもうひとつ、中継ぎ陣の補強というものがある。今年活躍,伸びた選手以外にも2017年ドラフト2位の西村もまだまだ伸びるだけのポテンシャルはあるしそもそももうトレード候補では?と囁かれていた井口があそこまで活躍したのだから田中トヨキンあたりも活躍できるかもしれない。馬力はあるんだし。西村以外にも宮西公文井口浦野石川直といった勝ちゲーム投手の充実のため、ドラフトで1〜2名社会人投手の中継ぎを補強してもいいかもしれない。

 

【二軍について】

二軍は野手プロスペクトがあまりに少なく負けまくった印象。投手はいい投手と悪い投手がはっきりしたと思っている。数字を並べてみよう。

.野手(打席数順,若手で一軍戦力ではない選手) 

名前/打率/OPS

平沼/.267/.668

高濱/.205/.594

森山/.247/.703

姫野/.193/.585

難波/.224/.520

郡/.226/.562

今井/.250/.697

谷口/.298/.782

太田/.226/.567

石井/.253/.714

 

とりあえず打撃成績だけ。

平沼はショートのプロスペクトとして二軍で最も打席に立った20歳の一番打者。昨年は.264/.683だったことを考えると打撃成績が伸び悩んでいるようにも見えるが3年目のショートとしてそれなりの成績を残している。一軍に一時期昇格した時は少ないチャンスで.333,守備に課題はあったが広い守備範囲を見せつけた。実は今年のOP戦では2HRを放っているので来期こそは三遊間のレギュラー争いに絡んで欲しい。

高濱は打席数こそ与えられたが怪我の影響もあって大きく数字を下げた。昨年のイースタン首位打者時は.295/.815と凄まじい成績だったこともあり今年に関しては外れ値扱いするか、2019年も低調な成績が続けばいろいろな意味で危ういといったところ。怪我前は守備も上手い部類だったと考えると2019年はファーム卒業が期待される。

森山は大卒2年目のロマン砲。1年目にファームHR,長打率ランキングで上位に顔を出すも(18HR,OPS.743)守備が原因であまりチャンスがなかった。そもそも後半の出場時も一軍の変化球にクルクルだった。今年は数字自体は下がるも出塁率,打率の改善が見られた。左の大砲はルーキー清宮以外いないことを考えても彼のレベルアップは一軍戦力の厚みを一段階上に持ち上げるものになるだろう。

姫野は後半戦から3番に固定された3年目の外野手。打率も昨年よりはマシになった。昨年は.157/.461だったのでOPSについては.100以上伸びていることになる。HRも出始め、特大のファウルを放つことも増えているのでファイターズの二軍選手によくある「成績は出てないけど使い続けるから成長してくれ」という選手だ。パワーは間違いないんだけどね。一応昨年の35.0%級の三振率はちょっとマシになってる。ただ20%を切る淺間,平沼と比べるとまだまだ改善の余地がある。ドラフト下位指名なので長い目で見ていきたい選手だ。

難波はアマチュア時代守ったことがほぼない二遊間に挑戦するルーキー。投手としても能力のある選手だったが、どうやら二塁守備では肩の強さが物凄いらしいと知り合いが言ってた。数字的にはまだまだではあるが、高卒ルーキーの、しかも4位指名選手で1年目からファームで抜けていた選手なんてファイターズでは近藤くらいしかいない。つまり近藤は凄いぞ。難波くんはあと2〜3年を目標に打力,守備力を磨いて欲しいなあ。

郡はやたら足の速い捕手。一軍捕手は清水鶴岡+石川亮と若手ベテランで回せているものの抜け出ている選手はいない。彼は特に足が速いという特徴を持つのでその辺を生かしていきたい…というのは内野も守るようになってからの話。まずは捕手としての能力に磨きをかけ、試合を経て打力の強化も望みたい。

今井は一塁,三塁を守る2年目の内野手。昨年は.222/.627であったことを考えると順調に成長したといえる。OPSがほぼ.700にまで伸びたが、実際この数字になってくると来年の一軍デビューが見えてくる。手薄な三塁にも挑戦したというが守備率が良くないということで守備を秋以降磨くことになりそう。

谷口はファイターズ基準ではもう若手とも言われなくなってきている外野手。いまはお試しか一軍に昇格しているが手術明けでこの数字はまずまず。来期は長打力で差別化できている松本と外野4〜5番手を争うか、代打を中心に打力で勝負するかが分からないが一軍の戦力になるであろうことは予測できる。

太田は4年目の内野手。昨年は.255/.696を記録しアリゾナキャンプではメジャー関係者から注目されていた。今年は一軍に帯同するもほぼ試合に出場できなかった可哀想枠。そりゃ成績も下がりますわな。今後は特徴である長打力を伸ばし二三遊を守れるユーティリティとして少しずつ出場試合数を伸ばすパターンになるだろう。

石井は大卒2年目の内野手。西武との首位攻防戦の本当に大事な場面で逆転負けとなる水差しエラーをかました、「顔も見たくない枠」に入れられてしまった可哀想な選手。この選手はビックリするほど太田とタイプが近いパワーの見込める内野手なので来年こそは.280 15本を目指して欲しいのだが…まず起用のチャンスがあるかどうか。外国人補強とポジションが被らなければチャンスはある。少なくともドラ2だし太田よりはチャンスありそう。

 

.リリーフ投手(若手投手,試合数順,リリーフで今後戦うだろう投手,試合数/ERA/(K/BB))

立田:55/4.02/(57/43)

田中ト:45/3.79/(50/16)

高山:37/4.48/(48/40)

西村:25/2.51/(34/10)

 

チームトップの登板数の立田は一時期は来期構想に入っていないのでは、とまで言われていた。しかし143km/h程度のストレートをコンスタントに投げられるようになるなど良化の兆候を見せるなど成長があった。よほどのことがない限り来期も契約があるだろう。しかしあまりにも与四死球が多いので改善の余地あり。

田中豊樹は一軍では顔も見たくない枠に入ってしまったものの二軍でのK/BBはそれなりに優秀。しかし後半戦被弾含め打たれるケースも目立ったのでスタミナ面含め改善の余地はある。が、ストレートの球威は確かなので来年突然一軍で活躍するかもしれない。

高山は良化の兆候は見せるも圧倒的四死球が気になる。左腕中継ぎとして扱われてるも最近はストレートの球威も戻しつつあるのでまだまたま中継ぎ候補の一角程度で終わるとも思えない。独特のフォームと身体の成長がマッチする時を待ちたい。

西村はK/BBも優秀だし来年はさっさと一軍で活躍して欲しい選手。できれば勝ちパターン。7回とか、うまくいけば8回とかどう?今年序盤に一軍で活躍していたので単純にスタミナがつけばリリーフエース級の活躍もある。

 

.先発投手(若手投手,試合数順,ERA/(K/BB)/投球回)

吉田/4.11/(68/44)/122.2

北浦/4.06/(40/17)/44.1

堀/4.35/(57/15)/49.2

宮台/4.97/(23/18)/38

田中瑛/1.64/(11/8)/22

吉田は昨年のイースタン最優秀防御率投手(2.11)だが今年は2点ほど悪化。鎌ヶ谷の守備を考えるとこういった打たせて取る選手は防御率が悪化する傾向にある。一軍登板時はストレートが高めに抜けていたのでコントロール自体も良くはないかと。BB/9が3.23とまずまずだし三振を奪う球種が欲しい。二軍には長くわざマシン41がいたが…。

北浦は大型のルーキー左腕。最速152km/hを記録するなど成長著しい。上にあげた指標では圧倒的な数字とは言えないものの、1年目としては十分すぎるものを見せてくれた。数年後のローテに加わっている可能性は高い。余談だけど田中元二軍監督だっけ?がリリーフ適性あるとか言ってたらしいけど多分先発をやりそう。流れたけどプロ初先発とか予定されてたんでしょう?

堀はファーム卒業クラスの数字を残した左腕。一軍に上がったと思ったら肉離れで離脱した例の広島里帰りがあったからかコマンド能力が少し悪くなったかもしれない。今日も首傾げながら三振奪ってた。先発としてキャリアを積むそうだが、あまりに結果が出なかった場合宮西の後釜としてリリーフに加わる可能性はある。が、北浦と並んで素晴らしい未来の先発ローテ候補といえる。個人的にはチェンジアップが好み。

宮台は怪我もあった大卒ルーキー左腕。調子がいい日と悪い日がはっきりしていた。ストレートの威力はあったが変化球、とくにカーブのコントロールがまとまらない日は苦しい。変化球も三振をバンバン奪うほど制圧力があるわけでもないのでコントロールの改善が次のステップだろう。

田中瑛はルーキー右腕。中継ぎでキャリアをスタートさせERAや3.27を記録したBB/9に見て取れるように光るものがあった。ていうか彼はハムファンに揃って絶賛されてる。私もその一人。体づくりが終わっておらず、まだまだ細いがタイプは上沢と言われる将来の先発の柱候補。来年一年でローテを守りきったうえでどのようなタイプとして育つのかもう一度確認したい。ちなみに一軍ローテ投手として結果を残し始めるのは堀,北浦,田中瑛の順だと思ってる。この3人が核になり、また来年の高卒投手の目玉などを獲得できればローテの未来は明るい。

 

 

【ドラフトについて】

この件はただの予想と妄想。この記事を作成しているのが夜中の3時なのでそろそろ思考力が足りなくなってきた。

 

現在のファイターズは野手のプロスペクトの中に長打を望める主軸級がいない。豊富な人材を揃えている高卒野手市場で長打力を秘める内野手、とくに三遊間選手を獲得したい。外野手も一人いても悪くないと思っている。そろそろ外野手の若手が二軍卒業しているためだ。

投手は高卒の先発が1〜2枚欲しい。中継ぎとしての大社投手の獲得はあるだろう。先発投手は正直ハムの欲しい高卒野手を獲得し終わった時点で残ってないと思ってる。

以上を踏まえたうえで、スカウトなどのコメントも合わせて欲しい選手を挙げていく。

 

1位:根尾くん…言わずと知れたナンバーワンクラスの高卒ショート。中軸を当てる打力と高い野球センスで将来球団の顔となる器を持つ。陽岱鋼中田翔の2名が2016年までのファイターズの顔だったように清宮と二人でチームを引っ張れる逸材である。ちなみに栗山監督のコメントが現状唯一出ている。昨年だと清宮のコメントも出している。

2位程度:野村佑くん(花咲某高)…スカウトコメントの多さや熱中度含め欲しい選手。三塁手であるが外野コンバートも可能な足と強烈な打力を持ち合わせる。三遊間選手の補強としては最高クラスと言って差し支えないだろう。

3位程度:勝又くん(日大某高)…最速152km/hのストレートを投げる二刀流選手。甲子園に出ていたら2位,外れ1位もあったかもしれない程には各球団のスカウトが高い評価をしている。

4〜5位程度:森下(東海大某高),山下(健大某高):右打ち外野手スラッガー。1枚は欲しいポジション。外野手不足が予測されるしスラッガー補強は定期的に必要。また、ありえないと思うがこの順位で残っていれば早実野村大も指名したい。ありえないと思うが。

6位以降…大社中継ぎ投手。例えば駒大の某サイド右腕とか、7位でいけるなら日通の某サイド左腕とか。中継ぎが欲しい。

ファイターズのこれまでを考えると6位付近で大社投手を獲得した場合ほぼ中継ぎ起用と考えていい。2017年の鈴木投手は知らん。どこいったの彼。

7位以降では基本隠し球系の高卒野手であったり、一芸を持つ高卒野手が選ばれる傾向にある。沖縄某高の某選手とかあり得る。かもしれない。

 

 

そろそろ本気で眠たくなったのでこの辺で終了。ドラフト寸前にまたドラフト関連で書きます。お疲れ様でした。(6978文字。卒論とか書くのうまそう)