2018年シーズンのファイターズは何が原因でここまで前評判が低いのかについての持論

【はじめに】

私が応援している北海道日本ハムファイターズは2017年シーズンにてリーグ5位に沈み、前年の日本一の栄光の残像すら見受けられない成績となった。また夏場以降育成に方針を切り替えて若手を重用、中継ぎの便利屋谷元投手の放出に加え勝ちパターンとされていたマーティン、増井両投手や2016年パリーグMVPの大谷選手の流出が決まった。したがって当然ことではあるが各評論家先生達は口を揃えて2018年のファイターズの5〜6位予想を特に語るでもなく安パイのものとして挙げている。

 

【ファイターズの性質】

ファイターズというチームは近年、活躍を続けた選手の年俸があまりに高額になればその選手を放出してきた。糸井嘉男,陽岱鋼両選手の例が記憶に新しいだろう。特に陽選手へ球団のお偉いさんが発言したとされる「卒業」という言葉のあまりにもあんまりなニュアンスにSNSやインターネット掲示板は騒然となりファイターズの主力選手がFA権を獲得した際などには好んでこの表現が使われる。

こういった背景から選手の入れ替わり(厳密に言うと"替わり"の部分)が激しい球団とされるが、なんだかんだドラフト会議で良い選手を獲得してここ10年はAクラス常連球団としての名を馳せている。

また2016年の優勝時にもクローザー失格の烙印を押された増井,開幕当初は中継ぎでの起用だった鎌ヶ谷の悲しき奪三振マシーンこと高梨両投手のシーズン中の先発転向が連勝記録に拍車を掛けたことも相まって予想外過ぎる戦力が飛び出してくることに定評のある球団でもある。

 

【評論家先生方の肩を持とう】

そもそも、ほぼ当たる事のない順位予想なる企画に無理矢理参加させられる先生方の気持ちにもなってみよう。

予想外過ぎるかは別にして予想外の戦力,開幕前に想定していなかった戦力がシーズン中に台頭する事など、どの球団にも等しくありえることだ。一般にこの事を「ブレイク」という。この事や怪我による主力の離脱が原因でゲームサイトの「最強キャラランキング」くらいには信用ならないので順位予想など意味が無いに等しくなるのだ。

加えて、彼らは開幕寸前時点での戦力ランキングを発表してるだけに過ぎない。調整の遅いタイプの新外国人選手やルーキーといった不確定要素を取り除いた評価だ。となると当然ホークスの首位予想は理にかなっているし、逆に奇をてらったようなBクラス予想は「予想」の本道を外しているかのように見える。

 

【2018年のファイターズの戦力についての見解】

私も10年以上野球の虜になってきた身であるので、現状の戦力についてなるべく客観的に私見を述べたい。客観的に。

 

【投手陣】

.先発投手…そもそも北海道に移転してから安定した先発投手がやたらと少ない。ダル,武田勝,ケッペルの3人がいた時代はよかったなあ。2016年だって規定に乗ったのは有原くんだけ。あと3イニングで大谷くんも規定に乗るところではあったが、いずれにせよ日本一のチームとしては歴代指折りの先発ローテの組めなさであったと思う。

様々な情報ソースを総合すると、現状先発ローテーションは上沢,加藤,高梨投手といった、去年の後半120球投げさせられてた強化指定組(?)に加え新外国人のマルティネス,侍ジャパンでの勝ち星の方がプロ初勝利より早かった希望の星こと堀くんあたりが開幕ローテーションを守るとされている。当然キャンプ中に故障が発覚した有原投手や昨日教育リーグで先発し好投した吉田投手(吉、の字が変換できない)もシーズン中の先発はあるだろうが開幕当初はどうなるかが未知数。某解説者に決め球がないとこき下ろされたコントロールが武器の玉井投手も忘れてはならないが、総じて言えるのは「現時点でシーズン終わった後にxx勝できるという計算が立つ先発投手がびっくりするほど少ない」ということ。下位予想の理由はほぼこの話題に尽きるので、彼らローテーション投手が長いイニングを投げ2桁勝利投手が何人も出てくることがチームの順位に直接関わってくると考えられる。

 

.中継ぎ,抑え投手…大量の主力の流出があった中、来日組ではかなりの大物とされているトンキン投手の獲得に成功。またドラフト2位の西村投手がキャンプ中から好投を続けるなど明るい話題もある。一方でその他の中継ぎ候補とされている投手たちはキャンプ〜オープン戦2試合について飛び抜けた成績を残している右投手はおらず、昨年まで谷元投手が務めていた立ち位置の選手が確定していないことやブレイクの兆しを見せた石川直也投手のインフル離脱などオープン戦序盤の段階でかつての最強中継ぎ陣を思わせる信頼と実績は無い。個人的には田中豊樹投手や公文投手が去年以上の活躍を見せてくれると勝手に思っている。ただ総じて始まってみないと分からないあたりに不安定さを感じる。

 

【野手陣】

.捕手…昨年後半に活躍を見せ始めた清水選手や昨年は怪我に苦しむも若手有力選手である石川亮選手以外にも、帰ってきた鶴岡選手や昨シーズンに移籍してきた黒羽選手の存在で一軍に帯同する捕手の数はここ数年で一番。飛び抜けた選手はいないものの、何かと私好みな選手が揃い踏みである。かつて送球難と噂されていたヘルニア手術明けの近藤選手には是非打力を生かして他のポジションを守っていただきたい。サードの守備もうまかったやん。

 

.内野手…「.216 16 67 」の数字は事あるごとに見ることになるだろう中田選手も、守備に関しては超一流であると再認識させられた。ベアハンドワンバウンド送球マンとか、無理な体勢からギリギリな送球を連発するその他内野手陣に鍛えられたんじゃないかな。ここまでの活躍を見ても監督はわざわざ彼を外すとは思えないし、4番 一塁のポジションは決まったと思う。

三塁手の寿司🍣の人も開幕スタメンだろう。打率が低すぎるのを気にしたのか、今年はやたらと逆方向への打球が多い気がする。3年いるのに外の変化球クルクルのままだと淘汰されちゃうもんね。

よくわからないのが二遊間で、金子誠コーチの発言をそのまま受け取るのなら遊撃手として開幕を迎えるのは中島卓也選手だろう。昨年ルーキーながら100試合以上に出場した石井選手は二遊間を守れるし、昨年後半にホームランを量産した横尾選手も二塁のポジションは守れるのだ。ファイターズはここ10年ほど「低くて厚い壁」問題の払拭に躍起になっていた。田中賢-金子誠の二遊間にぶつけてきた刺客が次々と別のポジションにコンバートされたことによる人材難が一気に解決し層が厚くなったと言えそう。多分。

上記の選手に加えて、センバツ優勝投手の平沼,メジャースカウトも太鼓判を押す太田両選手にも注目だし、あまり目立たないが主に三塁手として昨年のイースタンリーグに出場し首位打者を獲得した高濱選手も見逃せない。最近やけに目立つのはかつてドラフト1位だった渡邊選手。外野手もこなすらしいが内野手としての素質も素晴らしいのだろう。ここにベテランの田中賢介選手もいるのだから層自体は厚くなっていると考えていいのではないだろうか。

 

.外野手…チームの顔になった西川選手以外にも、侍ジャパンでは特訓中の流し打ちをこれでもかと見せつけた松本選手や昨年規定打席に到達した大田選手がその座を完全なものにするべくアピール合戦が続くだろう。また、ルーキー時に活躍を見せるも怪我に苦しむトッププロスペクトの淺間選手も期待したい。

ゴジラ二世」,ルーキーで昨年のイースタンリーグ本塁打王を獲得した森山選手,田中賢介選手との自主トレで10kgの増量に成功した岡大海選手がキャンプからアピールを続けていて、層の厚さとしては本当にここ数年でもトップなのではと期待する程だ。

昨年はDHでの出場も多かった近藤選手も年間通しての大活躍が見込まれるし、新外国人としては異例の高年俸で契約したアルシア選手への期待値はとても高い。

 

【現状に対するコメント】

不安定な要素も多いが、オープン戦2戦を戦い終えた現状では期待に胸が膨らむポジティブな情報も多い。シーズン終了後の順位というよりは「あの有望選手がついに本格ブレイク!」というスポーツ紙や野球週刊誌の記事に注目していきたい。

 

【以上を踏まえて】

ここまでの内容で伝えたかったのは、評論家先生方の順位予想に決して悲観することはないということ。不安定要素というのは前向きに捉えれば大体「若手でポジれる」という可能性の塊であり、近年のファイターズらしくもあるのだ。監督が勝ちに行く宣言をしている以上、多分なんだかんだAクラスにはなると思ってます。

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